サラリーマン時代に「労組」という言葉を一度も聞かなかった

数日前には「クローズアップ現代」で最近の正規雇用労働者(いわゆる正社員)の仕事のしんどさ事情を見た。あるマクド店長がしんどすぎて調子を崩して退職し、その後マクド労組を作った事例が採り上げられてた。それを見て私は自分の「暗黒のサラリーマン時代」を久々にリアルに思い出した。
その元マクド店長がやってた(やらされてた)「管理職は自分で仕事をマネジメントしてるんだから残業代はつかない」とか「売上が低ければバイトを使う時間を減らし(それでもダメならバイトを切る)、そのぶん自分が働いて店を回す」とか「その日の自店の業務を終えたら、受け持ちの他店へ出向いて深夜までさらに働き続ける」とかというのは、私のサラリーマン体験とおそろしくよく似てる。しかもその元店長が立ち上げる以前には会社の労組は存在しなかったので、しんどさを訴えて会社と闘うということもできなかった、というところもそっくり。
私の前の職場は同じ敷地内にマクドがあってよく昼食を買いに行ってたんだけど(←このへんも暗黒生活っぷりを表してますね)、そのたびに「もしやマクド店長の仕事のしんどさはうちら以上か?」と思ってた。ピーク時にレジ打ちしてるマクド店長と目が合うと、「お疲れさまです、っていうか大丈夫?! とにかく死んじゃだめですからね!」と無言でメッセージを送っていた私。
絶対、私がいた会社やマクドは例外なんかじゃないと思う。むしろ典型って言ってもいいんじゃないだろうか。典型の1つの極(に近いところ)に位置してるっていうだけで。他にもこんなふうに苦しんでる正社員の人たちは山ほどいると思う。
もちろん非正規雇用の問題は深刻だけど、がんばって非正規雇用から抜け出して正規雇用になってもやはり問題は深刻だ。
典型であるからこそ、マクドの正社員の労働のあり方が変われば他社に与える影響も大きい。マクド労組の今後の動きに注意したい。