濃いです。

フリーダ DTS特別版 [DVD]

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すごく気に入った。「フリーダさんは障害があったのにがんばりました」的な描き方なのかと思ってずいぶん観るのをためらってたんだけど、全然違った。自分で「私は将来クリプルの芸術家になるわ」とか言ってるし。クリプル(cripple)は字幕ではふつーに「障害者」になってたけど、「かたわ」とかにしといてくれたらフリーダさんの黒いユーモアセンスが伝わってきやすいのにね。きっと映画業界的には「かたわ」って使っちゃいけない言葉になってるんだろうなあ・・。
フリーダさんめちゃ格好いいわー。家族の集合写真で男装して映ったり、酒場で男衆を押さえてマドンナ的芸術家とダンスしたり、美しい女子たちと寝たり、夫の前妻と親友になったり、あのトロツキーと恋に落ちたり。もちろんまゆげつながってるのも格好よさのひとつ。サルマ・ハエックは「デブラ・ウィンガーを探して」のインタビューでは「ん?」と思うようなことも言ってたので私的には注目度低かったんだけど、フリーダはまさにはまり役ですね。この人以外のフリーダって絶対考えられない。夫役のアルフレッド・モリーナは出る映画によってほんと全然雰囲気違うなあ。「コーヒー&シガレッツ」のいとこ疑惑の人で、「ショコラ」の町長さんだなんて、言われたら「そういえば!」って感じだけど、言われなかったら分かんないや。
実際にフリーダさんが描いた画の映画への取り入れ方も上手くて、美しかった。特に髪の毛を切るシーン(私は映画全体でいちばん哀しいシーンだと思った。観てて苦しくなった)、素晴らしい。
画家の女子の映画というのじたいかなり珍しいよね、きっと。熱ーい夏にどうぞ。