給水塔の日々・リターンズ

tsukihoshi2006-01-09

昨日に引き続きフェティッシュなお話。と言っても今日はArt系のネタです。
今朝はがむばって早起きして(と言っても8時ですが)、京都国立近代美術館で開催中の「ドイツ写真の現在」展へ行ってきました。京都国立近代美術館のサイトはこちら→http://www.momak.go.jp/
私のお目当ては、ベッヒャー夫妻(夫Bernd Becher, 妻Hilla Becher)の給水塔や工場などの写真。実は私、昨年夏にこの人たちの給水塔写真集をおっちゃん(ゼミの先生)に見せてもらって以来、現在に至るまで軽い「給水塔オブセッション」に陥っているのです。ネット上でよく給水塔写真をチェックしております。
そのあたりの経緯はこちら→http://d.hatena.ne.jp/tsukihoshi/20050809
おっちゃんに写真集を見せてもらったその時には写真家の名前までチェックしてなかったので、結局誰の作品なのかずっと知らずにいたんだけど、数日前新聞を読んでたらたまたま今回の展覧会の記事が出てて、しかもそこに確かに見覚えのあるタッチの写真(ガスタンクの写真)が載ってて、「これはおっちゃんとこで見たあの写真家の作品に違いない!」と思って情報収集したら案の定ビンゴだった。というわけです。名前も知らないドイツ人の写真家と、偶然の再会。フシギだけど、こういうことって思いが強ければ起こるもんだよねえ。
そんな具合で、久しぶりに京都へ行ってきました。去年の夏以来かな。そう言えば数年前の一時期は週1で京都へ通ってたんだよなあ(京都でオケをやっていたので)とか思い出しつつ。
京都国立近代美術館は地下鉄東山駅から歩いて5分くらいだった。外観はイマイチだったので、向かいの京都市美術館を撮ってみた。

京都市美術館は立派な建物でした。

平安神宮のすぐ近くだったので大鳥居があった。でか!
で展覧会ですが、ベッヒャー夫妻の作品は素晴らしかった。特に「採掘塔」15点と「砂利工場」15点にしびれた。どちらも5行×3列にびしっと配列されてて、1点1点は似てるんだけど性格が違ってて、しかも15点が有機的に1つの全体を構成してるのです。音楽で言えば「ヴァリエーション」。特に精緻な構造をもつ点がバッハのヴァリエーションを想起させる。他にも「ペンシルヴェニア州ベツレヘム」というドラマティックな作品が気に入ったし、給水塔とガスタンクも見られて嬉しかった。
会場にはベッヒャー夫妻以外の現代ドイツ写真家の作品もいろいろと展示されてて、好きなのもあったし苦手なのもあった。ベッヒャー'sさん以外ではハンス−クリスティアン・シンクさんの作品が気に入りました。醜いはずの風景なのにすごく静かな気持ちになる写真。あと展覧会のポスターに載ってたロレッタ・ルックスさんという人の作品(子どものポートレートをリタッチした作品)は、完璧な美しさが不吉で恐ろしかった。この人の「ドラマー」(不気味に美しい少年がタイコを叩いている)という作品はマーラーの歌曲を思い出させる。ポスターに掲載されてた「ポーリーン」という作品は、私にとっては衝撃的にエロティックでした。
久々に音楽以外のArtに触れられて、すごく嬉しかった。試験前の休日を半日使って行った価値は十分ありました。350円(学生料金)で常設展(ユトリロやルドンやモンドリアンなど「有名人」の作品もありました)も見れてお得な感じだったしね。
明日からガッコ再開。また楽しい日々が始まるわ。