オペラ!

tsukihoshi2005-12-10

昨夜は5限の授業終了後、大フィル定期を聴きに行った。大植英次指揮のプッチーニ「トスカ」(演奏会形式)。私はてっきり抜粋と勘違いしてたけど、きちんと全3幕やってました。頭から終わりまで。
5限の授業が若干長引いたのと、授業後におっちゃん(ゼミの先生)とちょこっとだけお話をしていたため、19時の開演には間に合わなかった。ので、第1幕はロビーのモニターで見た(30分くらい)。でももちろんモニターでは舞台横の字幕スクリーンを読めるはずもないので、今何を歌ってるのか、どんな筋で話が進行してるのかは全然分からなかった。そもそも私はオペラにそれほど強い関心はなくて、しかもプッチーニでしょー、こてこてやん。疲れそう。と思って、実は今回の演奏会にはあまり積極的に行きたい気持ちじゃなかったのです。
ところがどっこい、休憩をはさんで会場内に入って2幕を聴き始めたら、いつの間にかぐぐーっと作品世界に引き込まれていました。今回歌のソリストはオケの後ろ(=普段はパーカッションがいてる位置)に段を組んで歌ってたので、下手2階バルコニーの私たちの席からは手を伸ばせば届きそうな位置でソリストの「うた」を見て聴くことができた。いや、素晴らしかったですよソリスト陣。トスカと恋人と悪代官(警察官だっけ、桔梗屋を数段悪くしたような奴)役の方々、ブラボーでした。
あ、あと3幕の愛のデュオのところのチェロ・ソリも素晴らしかった! あきつさん(チェロ首席の方)すごいです。そしてヴィオラのソロ、ブラーヴァ! ああ私もあんなプレイヤーになりたいわ。
お話の筋もベタと言えばベタなんだけど、そんなことどうでもいいじゃん!と思うくらいにエキサイティングだった。私、聴きながら登場人物に同一化してしまったもん。「ああ行っちゃダメ! 行ったら死んじゃうんだってばバカ、行かないでー!」とか言いたかったもん。いやはやオペラの魔力ってこういうのを言うのかもしれないね。オペラにはまるというのは快楽の蟻地獄みたいなもんかもしれません。
演奏の出来に大植さんも満足されていたようでした。終演後に出演者の方から聞いたところによると、木曜の公演(大フィル定期は木曜・金曜の2夜連続で同じ演目をするのです)よりも昨日のほうがずっと良い出来だったそうです。わーい、良いほうを聴けてラッキーだったわ。
ホールを離れる時にはすでに22時をまわっていました。そりゃあねえ、オペラ1本やればそれぐらいの時間にはなりますよね。年末にふさわしい、華やかで濃ゆーいひと時を過ごしました。
右上の写真は、一緒に聴いてた人と帰りに梅田スカイビルで眺めたクリスマス・ツリー。きれいだね。これむちゃくちゃ大きいんだよ。写真撮るためにかなり後ずさりしないといけなかったぐらい。側にはメリーゴーラウンドも設置されてたりして、なんか大阪じゃないみたいな雰囲気だった。
ちなみに今日私がいちばん惹かれた役どころは例の悪代官でした。死んでなお悪事を働くその腹黒さ。たまりません。もちろん声域はバス。私もいじめられたい感じ〜。