読書マラソンはやっぱムリなので、読書散歩ってことで。

ブラックジャックによろしく (12) (モーニングKC)

ブラックジャックによろしく (12) (モーニングKC)

感想。しんどいなー。今私が考えようとしていることとは方向性がかなり違うので、読むのきつかった。でもブラよろはそもそも「医療の闇を暴く」ことを命題としてるんだから、こういう描き方になるのは必然なんだろうし、描いたということじたいにまずは大きな価値があると思う。ので、これはこれでいいのですが。
でも、私もまだ勉強し始めたばかりで何も分からない身ではありますが、統合失調症と診断された人たちのイメージがこのマンガの登場人物のイメージで人々の意識に固定化されてしまうことだけは、とても怖いことだと思います。それは何としても避けたい。あと、「遺伝性」について書いている箇所は明らかに言葉足らずだ。「遺伝」って何?「遺伝が関係している」ってどういう意味? 精神医学の専門的知識を持っているわけではないいわゆる一般の人たちがこの箇所を読んだら、「ああやっぱ『遺伝病』なんだね」って思うんじゃ? この辺りの描き方の乱暴さは納得いかない。
ところで、ブラよろは全巻ともカバーを取った下にも絵が(しかもその巻でいちばん印象的な風景が)描いてあったんだね。知ってました? 私はこの前初めて気づきました。Ⅰ章は眠いけど、Ⅱ章から俄然面白くなった。たいへん得るものの多い1冊でした。医療、看護、福祉、教育、心理など「ケア」に関わる位置にある人・位置につこうとしている人は必読じゃないでしょうか。野口さんやその近辺の人たちの別の本でもいいけど。特に臨床心理の人たちってちゃんとこういう本読んでんのかな。というか読まないとかあり得ないよね。今は21世紀ですのでね。
セックスボランティア

セックスボランティア

んー、なんか色んな思いがぐちゃぐちゃしてて全然まとまってないんですが。ひとまず、「セックス・ボランティア」の「ボランティア」は、語の原義どおり関わりの無償性じゃなく自発性のことを指してたんだね。まあ今日はこの件はこのへんで。あちこちで参照されてる本なので必読よなあと思って読んだけど、私的には全然面白くなかった。最後まで読み通すのが苦痛だった。理由は色々なんだけど、1つは半端なリレー形式の論文集みたいになってる構成のせいだと思う。編者はこの構成を自賛していたが、私には論点がぼやけて拡散しすぎているように思えた。少なくとも私はもっとクリアな構成じゃないと理解できないです。あと、C.ロジャーズの理論にシンパシーを感じているらしい人の論文が大きな比重を占めてたんだけど、私はロジャーズは好きじゃないのでその人の書いてるとこも面白いと思えなかった。期待はずれ。
アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

ああなんて素晴らしい。藤本和子の訳も最高に格好いい。ブローティガンの詩も読みたいな。マヨネーズ。