100均CDに思う

先日の合宿で中学生から「ダイソー(100均の)のクラシックCDはすごく演奏が下手だ」という情報をゲットしたので、面白そうだから本日試しに1枚買ってみた。それがあなた。びっくりですよ。フルトヴェングラーの「名演集」なるものがシリーズで出てるし、他にも名だたる演奏家やオーケストラのCDが全て100円で売られているのです。(ウィーン・フィルもあったなあ) これじゃフルトヴェングラーさんも悔しくっておちおち永眠してられないだろうと思う。著作権の意義について売場でしばし考え込んでしまった。でもだからと言って、「音質を保障しないという点で音楽家の創造性を踏みにじり、再生媒体や個人的な複製をも制限するという点でユーザーの自由を侵害する」、得体の知れない「コピーコントロールCD」なんてものが市場で幅を利かせるのも明らかに間違っている。そういう姑息な手段に頼るのではなく、音楽業界・出版業界は「著作権」というものの意味について根本的に問い直すことをしなければ、この「100均状態」を打開することは不可能だろうよ。と思った。
で、肝心のCDの演奏ですが、「フルトヴェングラー名演集6:メンデルスゾーン真夏の夜の夢』序曲、ロッシーニ『どろぼうかささぎ』序曲ほか」を買ったんだけど、とにかくあまりの録音状態の悪さに驚いたよ。むちゃくちゃ古くてしかもライブ録音だからある程度覚悟はしてたけど、私の読みが甘かった。CDなのにCDを聞いてる気がしない。こりゃカセットテープだよ。例えるなら大学時代のサークルの「合奏テープ」(自分たちの演奏を録音したテープ)を聞いてるかんじ。「名演集」っていうかそもそも演奏のレベルを判別できない。思いっきり下手な演奏ならそれはそれで笑えるんだが、これじゃネタにもならない。というわけで、ダイソーの「フルヴェン名演集」には手を出さないほうがいいですよ。まあ買おうって人もそんなにいないでしょうけど。