地元オケ

昨夜は高校の頃まで参加していた地元のアマチュア・オーケストラの公開練習を見に行った。親友や恩師を含めて、小・中学生の頃からお世話になったりお付き合いいただいている人たちがたくさん在籍している。ホールでの前日リハーサルだったので気ぜわしくてあまり長くは話せなかったけど、どの人も「お帰り〜」「また一緒に弾こうよぉ」と言ってくれてとても嬉しかった。当時私はこのオケ(社会人オケです)の正団員ではなくて、在籍していたジュニア・オケのオフシーズンの間だけエキストラとして出演させてもらっていた。だからこの社会人オケは、ごくごく小さな私の音楽世界の中ではとびっきり上手な憧れの団体としてほぼトップの座に位置していたのだった。片田舎のガキんちょからすれば、遠くのウィーン・フィルN響より地場のアマオケのほうがはるかにインパクトがあったのだ。昨夜客席で演奏を聴いていて、そうだ私は確かにこのオケのこの音に死ぬほど憧れていたんだった、と思い出した。そしてこんなに私のことを覚えていて暖かく迎えてくれる人がたくさんいて、こんなに美しい土地で、そして私はこの故郷が大好きなのに、それなのにここで腰を落ち着けて暮らそうと思うことができない自分が哀しかった。私って特定のテーマについては致命的に依怙地だよなあ、とつくづく思う。