帰省

13日、高速バスで帰省。地元の駅に到着後、さっそく友人とお茶。小学生の頃から続いている縁だが、私も友人も当時から人格の基本構造はほとんど変わっていないと思う。相変わらずオケの話、音楽の話をしているし。今はそれに仕事の話がくっ付いたくらい。なんか笑えてしまう。
夜は実家で夕食をとり、夜中まで母親の愚痴を聞いてやる。

14日、昼間は墓参りに行き、田舎へ顔を出してきた。
夜は前日とは別の友人と会う。ドライブに連れてってくれて、京都では車に乗る機会がほぼゼロなのですごく気持ちよかった。
湖と内海の縁をたどってずんずん進んでいってくれる。
途中、山の端が明るく光ってる?と思ったら、山向こうの町で花火大会をしていた。もう終わりかけだったけど、ラストの大輪の花が夜空に開くのを見ることができた。
海沿いの漁村では盆踊り大会が繰り広げられていた。子どもたちは浴衣を着て、大人たちはビールを片手に、ちょうちんをめぐらした小さな舞台を丸く囲んで踊っていた。駐車場に小型消防車まで停まっている(消防士も踊りに駆けつけたのか?)あたり、「村をあげての盆踊り」という感じで良い。
夜の日本海は、やはり圧倒的だった。私にとって川や湖は生活の一部だったし今もそうだが、海は日常生活とは隔たっている。波打ち際で海と向き合っていると、巨大な生物と対峙しているような気分になる。でも、怖くはなかった。むしろ「帰ってきた」という感覚に満たされた。
ふと気づくといきなり猫が足元にすり寄ってきていて驚いた。首輪はしていないが、野良猫にしてはまるで人間を怖がらない。腹を見せて寝転がったり、ぺろぺろ毛づくろいしたり、あろうことか友人の膝の上に自ら飛び乗ってくる始末。20メートルほど先で若者が打上げ花火などしていたのだが、火花を怖がる様子もまったくない。「お盆の夜の海辺でこんな猫に出会うなんて、こいつ絶対化け猫だよなあ」という見解で友人と一致した。散々いちゃついてきてたくせに、私たちが浜辺を離れる時には追ってくる素振りなど一切見せず、浜辺からじいっとこちらをみつめて我々人間を見送っていた。その様子を見て化け猫疑惑をほぼ確信した私たちだった。
友人とは色々、色々話せて楽しかった。京都に戻ってもがんばっていけるな、と思った。

「家族」に付き合うのは不本意なこと・不快なことだらけだが、これが私にできるほぼ唯一かつ精一杯の「孝行」的なことだ。今回の帰省は正味2日間ほどだったが、これが限界。
ひと仕事終えた感覚で京都へ戻ってきた。