京都市立芸術大学管弦楽団定期演奏会

京都コンサートホールまでチャリで向かう。
開演30分前に到着、トイレをすませ、タバコを吸い、ロビーで冷えた白ワインを飲み、マイナートランキライザーをきこしめし、3階下手バルコニーの通路側の座席に5分前につく。我ながら完璧な動きだ。

曲目は、シューベルトの「未完成」(3楽章付き)、尾高尚忠のフルート協奏曲、ブラームス4番。
「未完成」の「3楽章」は、英国の音楽学者ジェラルド・エイブラハムによる補筆完成版とのこと。この版での演奏は今日が日本初演だったらしい。曲調は素朴な感じのスケルツォ―トリオでした。が、やっぱりトリオで曲が終わるというのは妙なものです。単に聞き慣れてるからというだけじゃなくて、どうせ「未完成」ならばやはり2楽章で終わらせておくのが曲としての収まりが良いな、としみじみ思った。エイブラハム氏、ごめん。

尾高のフルート・コンチェルトは隠れた佳作。以前演奏したことがあるので愛着がある一曲で、楽しみにしていた。が!、1楽章冒頭(あの爽やかな、初夏の川面をわたる風のひと吹きのような冒頭のテーマ)で、私の2列後ろぐらいの客が何を思ったかマジックテープ的なものをばりばりっとはがし、さらにあろうことかビニール袋をがっさがっさ引っ掻き回す音を出しやがったのだ! 社会福祉職従事者にあるまじき不穏当な発言を許してもらえるならば、私は心の中で「●●●●!」とののしったよ。音がやんでようやく音楽に集中できたのは第2主題に入ってからでした。ああ何たること。
2楽章、フルート・ソロの第一主題の末尾が3度低かったように感じたのは私の気のせいだったのだろうか。3楽章、ラストのトランペットが惜しかった、残念でした。

ブラ4は、さすがに弦楽器がうまい。が、割と腰の落ち着いた演奏だった。みんな若いんだし、もっと音楽的に前のめりになって弾いてもいいんじゃないか?と感じた。4楽章の最後、ヴァイオリンと木管のかけ合いの所でヴァイオリンが走ってズレて危なかった、ひやっとした。致命的に崩れなくてよかった。

全体的に、端正な演奏。前回(http://d.hatena.ne.jp/tsukihoshi/20071208)
のフランス・プロではこのオケの持つ品の良さがうまいこと作用してたけど、今回みたいなドイツ・ロマン派王道プロだと、どうしても「いい子ちゃん」におさまってしまっている印象がぬぐえない。
まあ、このテの話は好みの問題かもしれませんが。
なにはともあれ存分に楽しみました。