勝利

朝上司から電話があり、昨夜の話し合いを白紙撤回される。精神的苦痛の犠牲を払っても、労使交渉ではなく個人的に解決しようと努力したことは良かったのだ、一定の成果を得られたのだ、と昨夜喜んだのは完全に私のぬか喜びだったわけだ。
昼間は出先で用事を済ませ、喫茶店から労組へ電話。私の担当者は不在だったが、職員の方に状況を説明し、担当者と連絡を取ってもらえるようにお願いする。電話を切り際にその職員さんから「がんばってね。1人じゃないからね」と言われた途端、張り詰めてた気持ちが一気に緩み、泣きながら「ありがとうございます、がんばります」と答えた。店の中で1人で泣くのなんて何年ぶりだろう? 涙がおさまると、意を決して上司のいる職場へ戻った。
午後は働き、夜は経営側の関係者たちとの話し合いに参加した。そこで上司も私もそれぞれ自分の主張をしたところ、関係者たちは私の主張の正当性を認め、上司の要求は撤回された。やっと、正式な、くつがえることのない撤回。勝った。
嬉しさや安心よりも疲れでぼーっとしながら職場を出る。帰宅途中、応援してくれていた友人たちに勝利報告の電話やメールをする。自分が勝ったのだと頭では分かっていてもなかなか実感は湧いていなかったのが、喜んでくれる友人たちの反応をみて、じわじわ「私、勝ったんだ」と実感できてきた。帰宅後も、深夜で悪いとは思ったけど、何人かに電話で報告とお礼を伝えた。
私を応援し支えてくれた皆さんに、心から感謝します。