どれだけの業界人がこの人を知ってるだろう?

今日。
1日中自室にこもり、卒論の参考文献(引用文献になるかどうかは未定)をさんざん読みふける。久々に活字読みすぎてちょっと気持ち悪くなった。おかげで執筆は全然進んでないんだけど。
吉田おさみ氏「『精神障害者』の解放と連帯」も再読中。吉田氏(故人)は精神障害当事者の思想家。この人はほんとすごい。いわゆるアカデミックな語り方とは全然違う仕方で、平明な言葉で論理的に、すこぶるまともなことを書いている。本書は1983年初版で、さすがに「反差別人民共同闘争」とか言葉が時代がかってるところもあるけど、書かれてる内容は全然古くない(例えば精神障害という経験からの近代的主体批判。最初読んだ時興奮した)。でもそれは裏を返せば、吉田氏が提示した批判に非障害者たちは全然まともに答えてこなかった、そういう20数年間だったってことを表してるんだと思うけど。(例えば本書で吉田氏は「保安処分」としての精神障害者予防拘禁法制定の動きにさんざん断固反対してるんだけど、結局2003年に「心神喪失者等医療観察法」が成立してしまった、という事実)。
過去にきちんとものを言った人がいた。それを忘れちゃいけない。無視しちゃいけない。そこから学ばなければ阿呆。