実習終了!そして悩む

今日で病院実習終了。ということはすべての実習プログラムが終わったということです。ふう。
病院実習は基本的にラクだった。しんどいと感じる場面はほとんどなかった。他の病院実習がどんなもんか分からないからもちろん断言はできないけど、私の実習はかなり良い勉強をさせてもらえたほうじゃないかと思う。実習担当のスタッフの方たちは裏事情も含めて、病院の良いところも悪いところもオープンに見せてくれた。実習中、私に何かの情報を隠そうとした場面は一切なかった。それだけでも精神科病院にしては結構すごいことじゃないかと私は思う。
保護室にも入れてくれたし。ね。
保護室の壁四面のうちの一面は、やはり鉄格子というか鉄柵になってました。トイレは膝の高さくらいのつい立ての横に穴が開いてるだけ。水は流せないので排便後に病棟スタッフを呼んで流してもらいます。監視カメラもあった。壁にはエンピツ書きの意味不明な落書き。きっと入室しておられた方が書いたんだろう。まだしも救いだと感じたことは、床と壁はコンクリート打ちっぱなしとかじゃなくて(たぶんそれだと危険なんだろう)ソフトな素材だったことと、廊下の窓からの明かりで保護室内は比較的明るかったこと。
事前に覚悟はしてたけど、この保護室体験はやはりショックだった。この部屋に私や私の大切な人が入っている姿を想像すると、激しい怒りと苦しさとやるせなさがどろどろに混ざったものが喉元まで押し寄せてくるような感覚におそわれる。これが日本の現在の精神科医療の現実なのだ。19世紀ではなく21世紀の、これが現実。私は25歳頃まで、まったく無知で無関心な一市民としてこうした現実を間接的にせよ許容してきた。そしてこれからは、より積極的に職業的に、この現実に向き合う立場になるのだ。どうしますか私。
ともあれ病院の、精神科医療の暗部の象徴(明部があるのかどうかはさておき)をあえて見せてくださったスタッフの方々には感謝しています。
で、今回の病院実習に行って、私は病院では働けないなあとつくづく感じた。以前からダメだろうとは思ってたけど実習を経て確信に変わった。保護室の件だけじゃなく理由はいろいろある。大組織がムリとか。医師を立てながら仕事していくなんてごめんだとか。看護チームの方々と良好な関係を築くのはきつそうとか。医療のモノサシで当事者を測り続けるのはイヤとか。いろいろ。
でもそんなこと言ってたら、規模は病院とは違うだけどクリニックだってばりばり医療界なんだし、私たぶんムリじゃんね。ほいじゃ就職どうするんですかねえ。