戻ってきたよ

昨夜は予定通り演奏会に行ってきました。大フィル(大阪フィルハーモニー交響楽団)の定期。ザ・シンフォニーホールも大フィルも初めてなんでワクワクして向かった。開演2分前にホールに着き、席に座ったらちょうど前プロのチューニングが始まるところでギリギリセーフ。私ザ・シンフォニーって東京の巨大ホール的なイメージを持ってたんだけど、思いのほか舞台が近くに感じられる作りになっててなかなかよろしいですね。
プログラムは現田茂夫指揮のロシアプロ。前プロはリャードフの交響詩「キキモラ」。って知らないってば。まあそれなりに面白い曲だったよ。あえて表現するなら魔法使いの弟子がロシアに来ちゃいましたって感じの曲?(ナンノコッチャ)
中プロはプロコフィエフのチェロ協奏曲第2番。ソリストダヴィド・ゲリンガス。プロコなんで曲調もえぐいけどゲリンガスの演奏もえぐかったー。全編超超絶技巧なこの曲を何の苦もなく弾きよる。しかも右手まったく力入れてない。さらさら動かしてるだけ。左手も動いてんのか動いてないのか分からんくらい速いし。しかも信じられんくらい音でかい! さらにアンコールで無伴奏で弾きながら歌いよった!! ファルセットで!(あたしゃてっきり女性がバンダで歌ってるんだと思ったよ) なんだかよく分からないけど「すごいもん」を目撃してしまった・聴いてしまったという感じです。あまりに上手すぎる、本来は出会うはずのない人に出会ってしまったというショック体験は、学生の時以来ですね。感動と言うより打ちのめされたという表現がふさわしい体験でした。
メインはリムスキー=コルサコフシェエラザード。いいわあ楽しいわあ。エンターテイニングでかつ芸術性の高い名曲だよね。これだけ幅広い層の人が聴いて弾いて楽しめる曲って案外そんなに多くないと思う。そして客演コンマスの長原幸太氏! むっちゃ上手い! 若干24歳・・・ってこの人も「あり得へん」クラスの人だね。もう素晴らしいのひと言に尽きます。弦を切りつつ楽器リレーしつつ最後まで完璧な演奏でした。
期待をはるかに上回る濃ゆーい内容でお腹いっぱいになった上に、終演後は一緒に行った友人に連れられて彼女のお師匠さまを出待ち。その方にごあいさつをした後、別の知人のお師匠さまと一緒に帰路につく。終演後に出演者から聞く裏話ってほんと楽しいよね。そして私はそのプレイヤーの方と家の方向が同じだったので、あれやこれやお話ししながら2人で電車で帰ったのでした。
なんていうか、今日の演奏会はただ聴きに行って楽しかったっていうだけじゃなくて、馴染みの世界へ戻ってきたという感じがすごくしました。ああ私帰ってきたんだな、という感じ。そして活力というかパワーというか、そんなものをもらった気がします。生き返りました。
1ヶ月後の違う場所で違うメンバーによるシェエラザードの演奏と、そのメンバーたちのところへも「帰っていける」体験を心待ちにしつつ。