ポール・オースター著「トゥルー・ストーリーズ」を

読みました。最新作のやつね。
いやー、面白かった! 
数年ぶりに行った市立図書館で 新刊のコーナーにあったのをたまたまみつけて借りて来たんだけど、これは良かった。
彼の小説の読者にはおなじみの「信じがたい偶然の一致」の実話の数々、「書く」ために自ら選らんだ貧窮の生活、愛する街NYについて、などなど 非常に魅力的なエッセイが詰まっています。
ちなみに私は「なぜ書くか」と「地下鉄」という2作品が特に好きです。
(どうでもいいことかもしれないけど、オースターの「現実が持つ偶然性」を信じる力って、村上春樹あるいは河合隼雄のそれと重なるところがけっこう大きいと、思いません?)


それにしてもオースターってこんなに一般的に人気あるのね。
今回の新作も新聞やら雑誌やらにガンガン書評が載ってて、しかもどれもべた誉めだったので正直ちと驚きました。
私は(これもたまたま)書店で手に取った長編第1作の「シティ・オブ・グラス」の冒頭1ページ目で完全に「ヤラレて」しまって、なんだなんだこの人はという感じでそれ以来ほかの著作も読み進めてきたのだけど、こんなにも日本人に愛されている作家だったのですね。
それはやはり、柴田さんとの相乗効果というのもあるのでしょうね、確実に。
「シティ・オブ・グラス」は柴田さんじゃなく別の方の訳なので、願わくばシバタ版で読んでみたいものです。
そして邦訳未出版の長編2作、ぜひ原語で読みたいけど・・・ 無理かなあ。