アリス

ウディ・アレン脚本・監督の「アリス」('Alice' 1990) をDVDで観る。
以前TVの深夜放送でやっていたのを夢うつつに観たような気がするけど、ちゃんと観るのは初めてだ。


で、これがすっごく良かった。むちゃくちゃ気に入ってしまった。
私は彼の作品では「ハンナとその姉妹」がかなり好きなのだけど、それと同じくらい好きになってしまったよ。


何1つ不自由ない裕福な結婚生活を送っていた女性が、今まで気づかずにいた自らの願望を見出し、解放し、やがて自分の力でこれから進むべき新たな道を切り開いていく様子が コミカルかつファンタジックに描かれた作品です。
不倫相手とのロマンスや、おとぎ話のようなシーン(薬を飲んで透明人間になったり、死んだ元カレと再会したり)ももちろん魅力的だけれど、それだけじゃない。
この作品は確かにスウィートでコミカルでファッショナブルだが、その向こうにはきわめて根源的な「問い」が − つまり「人生の意味とは何か?」「幸せとは何なのか?」というウディ・アレンからの問いかけが、存在する。それがこの映画に深みを与えているのだと思う。


ともあれ、すごく素敵な映画です。
ウディ・アレン作品の好きなところを挙げだすとキリがなくなっちゃうから、その話はまた今度。